誰だって自分が可愛い

大雑把に言って人は自分の中だけに目が向いてしまう人と 
自分以外のものに対しても向けられる人とに分かれる。

私の周りの人たちを見ていると 前者は空回りして苦しんでいるし、
後者は問題を抱えながらも結構うまく過ごしている。

自分は若い頃 内向きで鬱々と母に愚痴ばかり言っていた。

母は母で気遣いのできない父への不満を延々と話していた。
生産的でなく ただお互い傷の舐め合いをしていた。

結婚してからは私はその役を主人に求めた。

ある日「こっちも仕事で忙しいんだよ。もうやめてほしい」ときつく
言われた。

その後 私の愚痴らしきものが始まるとそっぽ向くようになった。

それからは何とか打破したくて 連れ合いの好きな散歩に付き合って、
季節の花や鳥、散歩している犬たちのこと、
ノラ猫のことなど身近で楽しい話をするようになった。

そして子供のこと、社会のこと、主人の仕事のこと、
好きなお酒のこと、サッカーのこと、読んだ本のことなど
話題が広がっていって、気づいたら愚痴など言う暇がなくなっていた。

今ではお互いに勝手にしゃっべっているけれど
会話がまともに成り立っていて それなりにうまく回ってきたなぁと思う。

誰かが「書を持って街に出よう」と寺山修司を文字って(?)言っていた。

外に目を向けると余計な内なる呪縛から解放されて
本来の大切な問題に取り組む余裕ができてくる。

鬱々としている人、今のまずい状況を打破したい人、
人が自分のほうを向いてくれないと嘆いている人、
少々時間はかかるけど 是非試してみてください。