法人やお金持ちたちが形を変えて税金の高い国から
海外へ出て行くというのはよく聞く話です。
富裕層の話なんて別世界、自分には関係ないことだと思っていた。
でもよくよく考えてみれば それは国の税収が減るということで
やがては自分たちにも大きく影響してくること。
決して無関係ではないような気がしている。
先日そんなことを思いながら本屋さんで眺めていたら
「タックスヘイブン---逃げていく税金」というタイトルが目に入り
自分でも読めそうかどうかざっと確認して購入した。
難しいと思ったところは気にしないで飛ばしながら読みました。

- 作者: 志賀櫻
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/03/20
- メディア: 新書
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著者はいくつかの国際機関や国際フォーラムなどでタックスヘイブンの問題に
取り組んだ経験があり 現場での話がたくさん盛り込まれています。
投機による暴走するマネー
黒い資金の洗浄装置(マネーロンダリング)
節税、租税回避、脱税(タックスヘイブン)
今では広く知られているこの3つを関連づけています。
世界は貪欲で複雑に絡み合っている。
このようなことが進めば税金が入らなくなり
やがては”国”が衰退していってしまう。
もし国がそんなことになったらどんな世の中になるか
自分で勝手に想像してみました。
橋やトンネルや道路が修理されずに放置されたまま
公立学校が減っていく
医療費が上がり、年金は益々減る
犯罪が増え続ける
福祉予算が大幅に削られるなどなど浮かんできた。
本には一般の人々への増税に拍車をかけるだろうと書かれています。
今のそんな状況に歯止めをかけるための法律作りや国同士の話し合いに
著者が実際に参加して交渉した時の話はとても興味深い。
どの国も団体も手強く簡単に話が進まないのが実情らしい。
また経済の国際化に伴って税制も国際化しようという試みが始まっていて
あまり馴染みのない税制ですが具体的にいくつか紹介されています。