実行できないままこの歳になった今でもややこしくって
不便でちょっと危険を秘めた旅に憧れています。
だからお膳立てされたツアーには今ひとつ気乗りできず、
かといって一人で海外の土地をぶらつく勇気もなく・・・・
とうわけでそんな旅をしたつもりになれる旅の本が好きです。
沢木耕太郎氏の ”深夜特急 2" の中に出てくるくだりです。
「前の客が飲んだコップをたらいの水をくぐらせるだけで
洗うということにも抵抗感を覚えなくなった。
旅に出て 鈍感になっただけなのかもしれないが、
それ以上にまたひとつ自由になれたという印象の方が強かった。
自分の経験からしてもこれから地球一周の旅行をしようという
彼ら(シンガポールで知り合ったニュージーランドの二人の若者)が
いつまでもコーラに頼っていなくてはならないのは不自由すぎると
思えた」
こういう話は興味深いです。
たとえばこの話のように衛生観念が違う国であっても可能ならば
地元の人に近い行動をしてみる。
そうすることで旅の充実度は上がっていくのだと思う。
- 作者: 沢木耕太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1994/03/30
- メディア: 文庫
- 購入: 10人 クリック: 25回
- この商品を含むブログ (124件) を見る
わたしの連れ合いも旅が好きでその楽しみのひとつが
”地元の人が食べる食事” だという。
たまたま入った食堂での食事が口に合わず まずいなと思った時に
周りを見渡すと地元のお客さんは美味しそうに食べている。
そこで何故地元の人はこれを美味しいと思うのか、気候とかその土地の
歴史とかあれこれ思いを巡らすそうだ。それは旅での結構楽しい作業で、
自分の好みが絶対というわけではないことがわかったという。
観光客がたくさん来るところではなく、あくまでも地元の人が多い
食堂を選びます。
名所旧跡だけでなく、見知らぬ土地で思わぬ発見ができた時は
何とも得した気分になります。