旅の楽しみ

実行できないままこの歳になった今でもややこしくって
不便でちょっと危険を秘めた旅に憧れています。

だからお膳立てされたツアーには今ひとつ気乗りできず、
かといって一人で海外の土地をぶらつく勇気もなく・・・・
とうわけでそんな旅をしたつもりになれる旅の本が好きです。


沢木耕太郎氏の ”深夜特急 2"  の中に出てくるくだりです。

「前の客が飲んだコップをたらいの水をくぐらせるだけで
洗うということにも抵抗感を覚えなくなった。

旅に出て 鈍感になっただけなのかもしれないが、
それ以上にまたひとつ自由になれたという印象の方が強かった。

自分の経験からしてもこれから地球一周の旅行をしようという
彼ら(シンガポールで知り合ったニュージーランドの二人の若者)が
いつまでもコーラに頼っていなくてはならないのは不自由すぎると
思えた」

こういう話は興味深いです。

たとえばこの話のように衛生観念が違う国であっても可能ならば
地元の人に近い行動をしてみる。
そうすることで旅の充実度は上がっていくのだと思う。

深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)

深夜特急〈2〉マレー半島・シンガポール (新潮文庫)


わたしの連れ合いも旅が好きでその楽しみのひとつが
”地元の人が食べる食事” だという。

たまたま入った食堂での食事が口に合わず まずいなと思った時に
周りを見渡すと地元のお客さんは美味しそうに食べている。

そこで何故地元の人はこれを美味しいと思うのか、気候とかその土地の
歴史とかあれこれ思いを巡らすそうだ。それは旅での結構楽しい作業で、
自分の好みが絶対というわけではないことがわかったという。

観光客がたくさん来るところではなく、あくまでも地元の人が多い
食堂を選びます。


名所旧跡だけでなく、見知らぬ土地で思わぬ発見ができた時は
何とも得した気分になります。