近い将来 もし介護ロボットや自動運転する車や家事の遠隔操作などが
普及したら わたしたちのライフスタイルはもっと変わっていきそうです。
そんな時代を想像するとわくわくします。
一方そんな明るい将来ばかりのはずはなく、大災害など何かの原因で
昔に逆戻りなんていうことが起こる可能性だってあるわけです。
特にこの数年こんな思いが強くなってきました。
ウォシュレットがなきゃ絶対だめ〜なんていう感覚は普段から捨てておかないと。
なので楊逸(ヤン・イー)さんの著書「おいしい中国」のように個人の
経験から得た生活の知恵満載の話が結構好きです。
- 作者: 楊逸
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/10
- メディア: 単行本
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著者の子ども時代の”食”の視点から中国の一家族の生活を紹介しています。
著書は年代で3つに分けられます。
一番目は生まれた1964年から1970年まで。
場所は厳寒期間の長いハルビン。
食材に関してはわたしの子どもの頃と同じように種類が限られていますが、
料理を工夫して家族団らん楽しい生活を送っています。
わたしの子どもの頃はそれより10年ほど前の昭和30年代。
日本も今と比べると物の種類はとても少なかった。
特に今と違うなぁと思うのは野菜や果物の季節がはっきりしていたこと。
ナス、きゅうり、トマトなどは夏の期間のみです。
セミがミ〜ンミ〜ンと鳴く暑いお日様の下で汗をふきふき”トマトに塩”や
”きゅうりに味噌”などをおやつ替わりにかぶりついていたのが懐かしい^^
温室栽培が進んで一年中同じものが出回ると季節感が失われてしまって
ちょっと寂しい感じがします。
脱線したので本の話に戻って、
2番目は1970年初めから1973年9月まで。
文化大革命により両親が教師だったために同じ黒竜江省の蘭西県に
一家が下放されました。一番上のお姉さんは一人別の処へ。
この時は食だけでなく住居や仕事の手配まで困難を極めたのでしょうが、
暗い感じはなく、でも物資調達の大変さは伝わってきます。
豚、牛、鶏、犬・・と動物をたくさん飼うことになったのですが、
中でも2つのエピソードが印象深いです。
鶏を飼うことは大いにメリットありとのこと。
栄養価の高い卵がたくさん食べられる。
卵を持っていけば布でも他の食材でも交換することもできると。
わたしの親世代の人たちから聞いた戦時中の話のような気がしました。
また一家でとても大事にしていた愛犬が3年後にハルビンに戻る時に
思わぬ結末を迎えた話は切なかったです。
ヨモギの効用もなるほどと思えるところです。
3番目は1973年から1987年まで。
3年半の思想改造の後、ハルビンに戻ります。
ここでも不便な生活には変わりないのですが、定量供給制度廃止によって
中国は急速に変貌していきます。