若者が遠い国を憧れる気持ちは昔も今も同じ?

本屋さんに並んでいた「IT社会とコミュニケーション」
というNHKカルチャーラジオのテキストが面白そうだったので
読んでみることにしました。

古代から現代までのコミュニケーションの歴史と
これからのITコミュニケーションの行方について
13回に渡ってのレクチャー。
スタートしたのは今月4日だそうです。

テキストの中で面白いと思ったひとつは ”幸福国家
ブータンの崩壊” について触れられている部分です。

ブータンは2003年にインターネットが完全解禁されてから 
急速に近代化が始まり、若者たちの意識が変わってきました。

日本の記者が現地でインタビューを試みた時、
ある少女の幸福の点数は8点、残りのマイナス2点は
韓国に誕生しなかったこと。

それは「毎日、テレビジョンで放送される韓国ドラマの
実在しない世界に幻惑されていることに気づかないのです」
と著者は説明しています。

わたしも1960年代、アメリカのホームドラマを見て、
広い敷地に大きな家、そして大きな車や大きな冷蔵庫、
さらに見慣れない食品も豊富にあって 豊かで時代の
先端をいくアメリカに憧れを抱いたものです。
ブータンの少女も昔のわたしと同じだと微笑ましくなりました。

その後わたしが欧米の都合の良いところしか見ていない
ことに気づくのに少々時間が要りました。

この少女も時間がたてば 自分が生まれ育ったところの
よさに気づく時が来ると思います。

今は情報がかなりオープンになったこと、LCCの出現で 
国と国との行き来も頻繁になったことで 
人間の本質はそれほど違わないんだと知るのも
わたしたちの時代より早いような気がします。

時代はいつも繰り返し。 時間の長短はあるけど、
同じ道を辿らなければ 人間は本当に大切なものに
なかなか気付かないものだと 著者のこの数行の
言葉から再確認した思いです。