川口マーン惠美子氏の「住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち」に
続く「住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち」を読んでみました。
著者の本は 軽い語り口でも結構タブーな話題に切り込んでいて
面白いです。
住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち (講談社+α新書)
- 作者: 川口マーン惠美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/09/26
- メディア: Kindle版
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こういう日本ヨイショ系のタイトルは何だかねという感じですが、
実は著者でなく出版社側がつけたそうです。
”完全な市場主義でない資本主義”の国、ノルウェーについて。
元は貧しかったノルウェーですが、1969年にノルウェーの海で
石油とガスが発見され 一転。
一般的には外国資本とそれと組んだ一部の国民だけが富を蓄えるけど、
この国では国民全体を豊かにし、強い国を作りました。
札束に誘惑されずに 自然を残すこと、国家を強くすることに力を注いでいます。
例えば、 採掘された石油はほとんど輸出用。
国内の電力は水力で。 原発はありません。
といって電気を節約しているわけでなく 1人あたりの電力使用量は世界一。
EUに加入せず、徴兵制を敷いています。
油田採掘の技術は高く、原発がないのに実験炉を作って原子力テクノロジーの
維持もしています。高度な技術が国の大きな強みとなっているのです。
仕事は男女平等で出生率も高い。一日の終業は3時頃(!)。
家庭での時間が多く、週末はハイキングやスキーなどでのんびり過ごすようです。
いいことずくめのようですが、緻密な計画の上で成り立っていて
国家に統制されているとも言えます。
恵まれたライフスタイルの裏には それなりの厳しさがあります。
個人がテキトーに暮らす幅がかなり狭められるということです。
他にスペインの闘牛やイルカ漁、ヨーロッパの食品偽装事情、
奴隷制度、同性愛事情、移民や難民問題などについても書かれています。
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「ドイツ人は歴史は作り話であるということをきちんと認識している。
歴史は支配者の数だけあり、また、支配者が替わるごとに
書き換えられる。今歴史として定着しているのは、長年のあいだ他の
多くの物語と競い合って、勝ち残った物語ということだ。
昔のことは検証不可能なので、それが事実であったかどうかは問題には
ならない。 もちろん 滅びてしまった民族が持っていた歴史は、
とっくに消えてしまっている-----------」
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学校で習う歴史だけでなく 他にもたくさん読んで、聞いて、訪ねてを
しないと。