「いま・ここ」に対して、責任を持つ

不自然と思えるくらい株価が急上昇しているこの時期に
真逆の本を読んでみました。

しばらく本棚に置いたままだった「小商いのすすめ」

よく噛み砕いて読まないと理解できないので、途中で
やめていました。 そして今読み直してみたら 不思議と
内容がすーっと入っていきました。


小商いのすすめ 「経済成長」から「縮小均衡」の時代へ

小商いのすすめ 「経済成長」から「縮小均衡」の時代へ


戦後灰と化した日本はやがて経済大国になった。

なぜなれたのか?  それはただ”貧乏”だったから。
ほとんどの人が何も持たなかったので 遊ぶ時間も余裕もなく 
誰も一所懸命働いた。豊かなアメリカを目指して。

今、高度経済成長している中国やインドネシア、ブラジルなど相変わらず
貧富の差が激しいし、これからも解消しそうもありません。

でもそういった国々と違って日本は全体が豊かになりました。

戦後、大蔵官僚だった下村治を中心として作られた「所得倍増計画

資料によると(インターネットで見られるそうです)完全雇用
生活水準の引き上げを謳い、実行したのです。

著者はそれが意外だったと書いています。

ま、それは経済がどんどん拡大する時期だったから可能だったわけで
縮小している今は たとえ思いがあったとしても 難しいのかもしれません。

そして1980年代。すっかり豊かになった日本。

”食べるため”の働きから”消費するため”の働きへと国民の
意識が変質し、社会構造も変わっていきました。


また民主主義が進み個人が目覚め始めて 血縁、地縁、家族、国家と
衝突するようになって 多くがそこを抜け出すようになりました。

その結果貧富の格差や都市と農村との格差が拡がり、少子化が進み
経済成長が止まったのも 当たりまえのことなのです。



本文からの引用です。

ちょっと難しいのですが、

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・・・・本来責任がない「いま・ここ」に対して、責任を持つということです。
わたしたちは、本来自分に責任がないことに対して、責任を持つという
かたちでしか、遅れて生まれてきたこと、そして「いま・ここ」にあることを
自らの必然に変えることはできない。

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端的に、小商いは、存続し続けることが、拡大することに優先するような
商いのことです。

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他にも小商いについての説明がいくつかあります。

「小商い」 は今生きるわたしたちの哲学。

不確かな時代に生きること、働くことへの大きなヒントとなります。