これまで失われてきた人間性を取り戻す

IT素人だし、ニコニコ動画も利用していないけど 
直観的に面白そうな本と思ったので、読んでみることにしました。


川上量生(かわかみのぶお)著: 

「ニコニコ哲学-川上量生の胸のうち」  (日経BP社)」



面白いと思った点をいくつか・・・・

*「しょうがないな」と思われるポジションをつくる

大衆に迎合しがちなマスメディアに対して ニコニコ動画
クレームがきそうなものでも躊躇なくやってしまう。

クレームにいちいち対応するのはむしろリスクが高い。

一度対応すると次回もとなり 対応をやめた時点で評判が下がってしまうので
どんどん言いなりになってしまう。将来的にはマイナスです。



*思想は持たない

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日本において、メディアの使命が批判だという時代は終わったと思います。
むしろ今の日本には、ただ淡々と情報を伝えるメディアというのが必要でしょう(引用)

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思想を持っていると、正しいと考えている方向に運動を始めちゃうじゃないですか。
そういうことは一切やめようと。
偏った意見も、偏ってない意見も、流せばいいんですよ(引用)

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戦後70年を経てやっと、こういう考えを堂々と主張する人たちが出てきたんですね。





*グローバル主義 と ローカル主義について

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グーグルとかフェイスブックとかそういうグローバルなプラットフォームが
国家みたいな権力を持ってくると思うんですよ。

じゃあ、プラットフォームと日本政府のどっちに統治されるのが日本人にとって
いいかというと、どう考えても日本政府でしょう。  

政府は、福祉政策とかインフラ整備とかやってくれますよね。 でも、
グーグルやフェイスブックはやりませんよ。

今でも個人情報すら守ってくれない(引用)

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国民のためになにかをする義務がない人たちに 支配されるのは危険すぎる、
でも国家がちゃんと統治してくれないから グーグルたちのほうがいいかも・・・・
と思ったりしてるでしょと世間の思いも見抜いています。





最後にニコニコしたいユーザー向けの ”ニコニコ宣言” について書かれています。

第七宣言まであって内容がすごくいいです。

コンピュータ化、グローバル化していく社会の中で人間性が疎外されていく流れに
抵抗するための宣言で、基本は人の持つ感情を大事にするということらしいです。 

少しずつ時代が変わっていると感じます。