「やらなきゃゼロ!」

財政破綻といえば まずギリシャが思い浮かぶけど、他にも
世界中にそんな国や自治体がたくさん存在しています。

日本ではかつて夕張市財政破綻し、その後日本一若い市長が
誕生したと話題になりました。

その市長さんが書いた本を読んでみました。

気候的にも厳しい夕張。大変さは想像以上です。

鈴木直道著: 「やらなきゃゼロ!」 (岩波ジュニア新書)


鈴木直道氏は元々東京都庁の職員でしたが、都から夕張市
出向後、夕張市市長選挙に立候補して当選し、今に至っています。

騒がれたその時は関心を持つけれど、時間が経つと
たいてい頭の片隅に追いやられてしまいます。


市長は高校卒業後、都庁に就職しながら夜間大学に通っていました。

多感な高校時代と夜間大学時代に大変なご苦労されていたんですね。

厳しい環境に置かれたがゆえに、困難に向かっていけるパワーが
持てたんだと思いました。

考えたくないけれど これはどこかの地域で そして日本もいつか
直面するかもしれない。ひとごとではないです。

だから財政破綻するとどうなってしまうか、事前にそれを避けるには
どうすればいいか、実際破綻した時はどうしなければいけないか
知っておいて悪くないと思います。

まず財政破綻すると 「最低の行政サービス、最高の住民負担」 になります。

公務員の給与は大幅カット、人の命にかかわるもの以外はすべて見直しの
対象に。図書館、公衆トイレ、市民会舘などあらゆるものが削られます。

つまり借金を返すことが優先になります。


でも著者は言います。 財政の再建だけをやっていると人がどんどん他の
地域に引っ越ししてしまうので、市が消えてしまう。

同時に地域の再生もしていかなければいけない。
財政再建と地域の再生は「車の両輪」のようなものだと。

地域再生のために 苦しい予算の中から若い市長らしいアイデア
外部から人(お客さん)を呼び込みます。

今では世界中の厳しい経済状況の自治体から見学しにくるまでに
なっているとか。

元は炭鉱の街だった夕張市
産業の移転は多くの人が失業するということ。

今の生活を守ると共に 次の世代のことも考えていかないと・・・
その時が来た時では遅すぎます。


夕張市といえばメロン。そして映画の街。
近くにはスキー場があって、炭鉱の歴史も学習できる。

この本が書かれたのは2年半前。
夕張市はどんな街に変わっているのでしょうか。


http://www.city.yubari.lg.jp/contents/sightseeing/facility/

夕張市のサイトです。
観光や特産品の紹介もありますね。

夕張メロンに長いもそして花豆缶詰。そそられる・・・