〜 親しきものへのまなざし 逆境の絵師 久隅守景展 (サントリー美術館、六本木)  〜

「国宝 納涼図」


(このページに掲載されている絵画作品の写真は1階ギャリーで購入した
ポストカードを撮影したものです)

昔どこかで見たこの「納涼図」は ほのぼのとした家族の雰囲気が
よく伝わってきて すごく印象に残っています。

数週間前にEテレ「日曜美術館」で取り上げられ、描いたのは江戸初期の
絵師「久隅守景」だということを知りました。 国宝なんですね。


サントリー美術館で今月29日(明日!)まで 久隅守景(くすみ もりかげ)展が
開催中なので 行ってみることにしました。

残念ながらこの絵は展示されていませんでしたが。




「四季耕作図屏風」

田植えから秋の収穫までを描いて屏風にしています。
よく見ると 当時の農作業の様子が細かく描かれ、
農民の暮らしがよくわかります。





賀茂競馬宇治茶摘図屏風」

最晩年に制作活動をしていた京都に暮らすさまざまな
身分の人たちを題材にして描かれた屏風絵です。


この展覧会のタイトルには ”逆境の絵師”とつけられています。

久隅守景は狩野探幽の弟子で、四天王の筆頭といわれていました。

ところが娘の雪信(ゆきのぶ) が探幽の弟子と駆け落ちし、
息子の彦十郎は不祥事を起こして佐渡島流しされるという
不幸が続きます。

家族離散という辛い結末。

やがて守景は探幽の元を離れ、狩野派の後ろ盾がないままでの
制作を余儀なくされます。

晩年は加賀藩前田家の招きで金沢で活動したため、北陸地方には
代表的な作品が残されているようです。

守景の景色への視線にはとがったところを感じさせません。

守景の生涯を思うと、あの「納涼図」は遠い昔の
穏やかだった頃の自分の家族の姿と重ね合わせていたのかも
しれません。 


また離れ離れになった雪信も彦十郎も才能ある絵師として活躍し、
今回の展覧会でいくつか作品を見ることができます。





茶室 「玄鳥庵」

美術館内にある茶室です。(6階)

月に2回ほど行われているお点前ですが、 たまたま
当日体験できる日だったので、受付で申込みをして
参加してみることにしました。

お茶をいただいた後は 主催されている方によるお道具の
説明がありました。特に立派なお茶碗もありました。

またお茶室内のお道具もゆっくり拝見できたので、
ひと時お茶の世界に浸ることができました。




カフェ 「加賀麩 不室屋」

お麩づくしのメニューで、卵焼きの中にも入っていました♪


”麩あんみつ”も美味しそうです。
次回のお楽しみに・・・