映画「この世界の片隅に」を見に行く

先日、「この世界の片隅に」を ”お一人様映画”で
楽しんできました。 夕方時間の新宿ピカデリー
いうこともあって若い年齢層の人たちが多く、
若い人の映画館での鑑賞も結構人気があることを
知りました。



世間を騒がせている映画だからコメントも多いですが、
今回は先入観を入れずに観ました。

第2次世界大戦中の広島県呉市広島市の話です。

広島市から呉市に嫁いだ主人公、すずとその周囲の
人達の戦時の変化していく暮らしを描いています。

父親が実際に戦地に行った世代として私が
素直に感じて思ったことです。


★日に日に食料を含む物資がなくなっていき、
ついに終戦前後が最悪の状態となりました。

★すずはある日姪っ子と散歩に出かけます。
敵機が落とした不発弾に触れてしまい姪っ子は
死に、すずは右手を失います。

帰ってから義姉にひどく罵られるのです。
戦争が悪いのに、すずが責められる・・・

やがて誰も彼も息子など身近な誰かを
次々に亡くしていきます。

戦争はなんて理不尽なものかと思います。

私の父親も栄養不良が原因で病気になった
息子(私の兄だったはずの人)と前妻を
戦後すぐに亡しています。

当時戦地に行っていた父親は ほぼ同時に2人が
亡くなっていたことを 復員後初めて知らされたと 
私が大きくなって本人から聞きました。
感情交えず淡々と話してくれたのを覚えています。

私の世代は戦争体験をしていないけど、
直接戦争経験した人をたくさん知っています。

だからこの映画は遠い昔の話でなく、
とても身近なものに感じます。

戦争に向かわせるものは私たちひとりひとりの
心の中にあります。敵と宣伝されているものは
本当に敵なのか。

戦争に勝てばそれで皆が幸せになるのか?

勝って一番の国になったはずのアメリカを
考えると 疑問が湧いてきます。

社会に対してなぜ?なぜ?と問いかけ、
考え続けていかなければ また
同じ過ちを繰り返してしまうでしょう。

それから強く思うのは 意図したものかどうか
関係なく 自分の身に起きた不幸から湧き出る
恨みや妬みなどを後々まで引きずっていると 
前に進むことができず、袋小路に入ってしまいます。

次の世代までもが負の面を背負うようになるかも
しれません。

この映画は軍による理不尽な扱いを笑い飛ばしたり、
義姉が恨んでいたすずに謝る気持ちを抱いたり、
プラス方向の心の変化も描いています。

作者がそれを意識して描いたのかわかりませんが
これはとても大事なポイントです。

若い世代の人たちはこの映画をどんな風に感じながら
見ていのるでしょうか。興味のあるところです。