時々歌舞伎座まで一人で歌舞伎を観に行きます。
歌舞伎について詳しくないのですが、まばゆい
ばかりの衣装や華麗な踊り、激しい動きを
観るのが好きです。
長いストーリーの舞台では時々眠気が襲いますが・・・
一昨日観た「四月大歌舞伎」では眠いなと思い始めて
いた時に はっと目が覚めた瞬間がありました。
それは熊谷直実の妻、「相模」を演じる市川猿之助さんが
深い悲しみを迫真の演技で披露してくれた時です。
演目は「一谷ふたば軍記」の一場面です。
源氏方の武将であった熊谷直実は敵方の
平敦盛(あつもり)の首を取らねばならない。
しかし義経からは敦盛は後白河院のご落胤(身分の
高い者が正妻以外の身分の低い者に産ませた子)なので、
命を救うよう命じられた。
そこで直実は自分の子 「小次郎」を自分の手にかけ
首を挿げ替えて差し出した。
首桶の中を見て、「相模」は我が子の姿に驚く。
その時の嘆き悲しむ演技は今でもくっきりと
蘇ってきます。
私にとって猿之助さんはこれから先、要チェックの
役者さんになりそうです。
どんな小さなことでも一日ひとつ感動があると
幸せな気持ちになります。