六月大歌舞伎を観に行く 〜東銀座、東京〜

月一の歌舞伎鑑賞は猿之助さんが出演する夜の部に行きました。演目はひとつだけ。

 

歌舞伎座公演では珍しい新作歌舞伎です。

原作の漫画「風雲児たち」を三谷幸喜さんが舞台用に書き起こし、演出しました。

期待せずに行きましたが、反してそれはそれは素晴らしい舞台でした。

 

 

「月光露針路日本  (つきあかりめざすふるさと)」

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時は天明2年、1782年の事。船頭大黒屋光太夫と16名の仲間が伊勢白子浦を江戸に向けて出発した後、遭難に会い、太平洋を漂流します。

 

 

 

 

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17名の一行が漂流した地図です。

極寒の中、馬ぞりで町から町へ移動しながら希望の光が射すサンクトベルグにたどりつきます。

 

そして望みがかなって日本に戻るのですが、最後に残ったのは光太夫と他2名だけ。

 

もちろん脚色も多くありますが、実際に起こった話です。

 

各乗組員たちの気持ちがよく出ていました。

実際は馬ぞりだそうですが、舞台ではシベリア大陸の移動にはハスキー犬が登場。

たくさんのかぶり物の犬たちがリアルに演じていました。

 

新作歌舞伎ですから、幕の後再び出演者全員が登場してご挨拶。

客席からは割れんばかりのスタンディングオーベーション。

 

時折り見得が切られます。やっぱりこれも歌舞伎ね、と再確認。

 

本で読んだだけでは理解できなかった部分、当時の世界事情や国内事情、航海することの困難さなど舞台で実感できました。

 

 

✳︎当日の演目の時間表です

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