磯田道史著 「歴史の愉しみ方」

歳を取るにつれて むかし学校で習ったことや
旅行した時に見聞きしたことが 多少なりとも
頭の隅に残っていきます。

そしてそんな断片的な事柄がこうして
わかりやすく書かれた本によって繋がれていきます。

歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)

歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)

忍者から始まって、天皇土葬化、江戸のチン(犬)飼育、
手塚治虫と幕末西洋医、皇族・華族不登校竜馬暗殺時の
政局メモなどなど古文書を解読しながら私たちに興味深く
語りかけてくれる。

著者が古文書から特に憂いているのは、これからの日本の
震災のこと。古文書の震災記録によれば 私たちはまさに今
500年に一度の大地震活動期に生きていることがわかると言う。

特に注目しているのは資料がほとんどない1498年の明応大地震
ほんのわずかな痕跡から事実を徐々に解明し 
今後の防災に繋げていきたいと述べている。
その探究心には頭が下がる思いだ。

最後はおまけのよう(?)に”関ヶ原見物作法”が書かれている。
新幹線 東京⇔新大阪間の車窓の楽しみ方です。

東海道新幹線に乗る時 自分はせいぜい富士山と
冬の関ヶ原あたりの雪景色を楽しむことぐらいですが、
作者は興味津々の車窓からの眺め方を提供している。

著者のように車内をあちこち移動はできないけれど
今度乗る機会があったら じっくり座って当時の様子を
想像しながら眺めてみたい、居眠りなどしないで。