歳を取るにつれて むかし学校で習ったことや
旅行した時に見聞きしたことが 多少なりとも
頭の隅に残っていきます。
そしてそんな断片的な事柄がこうして
わかりやすく書かれた本によって繋がれていきます。
- 作者: 磯田道史
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/10/24
- メディア: 新書
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忍者から始まって、天皇土葬化、江戸のチン(犬)飼育、
手塚治虫と幕末西洋医、皇族・華族・不登校、竜馬暗殺時の
政局メモなどなど古文書を解読しながら私たちに興味深く
語りかけてくれる。
著者が古文書から特に憂いているのは、これからの日本の
震災のこと。古文書の震災記録によれば 私たちはまさに今
500年に一度の大地震活動期に生きていることがわかると言う。
特に注目しているのは資料がほとんどない1498年の明応大地震。
ほんのわずかな痕跡から事実を徐々に解明し
今後の防災に繋げていきたいと述べている。
その探究心には頭が下がる思いだ。
最後はおまけのよう(?)に”関ヶ原見物作法”が書かれている。
新幹線 東京⇔新大阪間の車窓の楽しみ方です。
東海道新幹線に乗る時 自分はせいぜい富士山と
冬の関ヶ原あたりの雪景色を楽しむことぐらいですが、
作者は興味津々の車窓からの眺め方を提供している。
著者のように車内をあちこち移動はできないけれど
今度乗る機会があったら じっくり座って当時の様子を
想像しながら眺めてみたい、居眠りなどしないで。