国立国際美術館(大阪) 〜貴婦人と一角獣〜

大きいとはいえ たった6枚のタピスリーの展覧会。
見たい気持ち半分。それほどでもないかなという思い半分。

実際行ってみたら見応えありました。



これは織物?と思えるほどリアルで精巧なタピスリー。

会場内にはタピスリーを部分的に拡大した映像や写真が
展示されていて 全体が理解できるような仕掛けになっています。

制作は1500年頃。

下絵をパリで、織られたのはフランドル?

6枚の連作でテーマは「味覚」「聴覚」「視覚」「嗅覚」「触覚」の
五感 プラス「わが唯一の望み」(何を意味するかは謎だそうで、
上記の写真がその一枚です。他の5枚にはない青いテント。
手に持つ箱の中は身に着けていた装飾品をしまうのか、あるいは
これから身につけるのか・・・この辺に深い意味がありそうです)

それぞれに若い貴婦人と一角獣がいる場面が描かれ、花や樹木など
植物が背景となっています。

他に獅子、さる、ウサギ、鳥など動物も一面に描かれ、
それぞれ意味を持っていて 例えばウサギは多産の象徴だそうです。

赤地に三日月&青い斜めのラインはル・ヴィスト家の紋章。
ル・ヴィスト家の当主が画家に発注し作らせたことがわかります。
どんだけ大金をつぎ込んだのか・・・・・・

1841年ブーサック城内で保存の悪い状態で発見され、その後
女流作家ジュルジュ・サンドが作品の中でこれを称賛したため、
関心を集めるようになりました。

その後修復され、現在はフランス国立クリュニー中世美術館所蔵。

絹と羊毛で織られたタペスリーには一枚一枚にストーリーがあり、
飾られていたお城やそのお城に住む人たちの生活や壁掛けの
職人たちの仕事ぶりなどどんどん想像が膨らんでいきます。