40〜50年前日本の「水」は世界一安全で使い放題と言われてきました。
ところが年々水の使用量が増えてきて こんなこといつまで許されるの?
と不安に感じるまでになってきています。
またペットボトル水やミネラルウォーターの販売量も
鰻登り、地下水がなくなってしまわないのか心配になります。
世界的には人口増加で水が豊かな日本を狙って 外国資本が
流れてきていると言われ、近い将来日本の水を外国企業から
買う日がくるかも・・・などと思ってみたりもしています。
今回読んだ本は現在の日本全体の水事情がわかります。
何もしなければ確実に地下水はなくなってしまうけど、
人が手を加え、意識を持って水と付き合えば、将来は
決して暗くないようです。
- 作者: 橋本淳司
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2013/01/30
- メディア: 新書
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なるほどと思ったことがいくつかあります。
★日本は水が豊富だと考えられているけれど、急勾配の日本の土地は
放っておくとそのまま海に流れてしまう。
★外国資本が入ってくることが問題なのではなく 水源地域の人たちが
地下水に対して無関心であることが問題を引き起こしていく。
★地下水は土地の表層の川と同じように 地下を流れる川だと
考えることが大切。
表層水と違って地下水には規制がないので汲み上げ放題の状態。
地下に流れる川の水をある地点で使い放題してよいのか。
★シンガポールは水をマレーシアから買っているので、政治利用される
ことがままある。そこで水の自給を模索しはじめている。生活雑排水の
再利用をして飲料水レベルまで改善をした。
★豊かな水を持つ鳥取県の大山は企業誘致し氷製造メーカー、
ペットボトル水メーカーの工場が相次いで進出、農業だけの街に
新たな雇用を生んでいる。
★全国のペットボトル水総生産量の多い県順に山梨県(29.8%)、静岡県
(18.3%)、鳥取県(14.0%)だそうです。
さすが富士山の水脈は圧倒的!
★埼玉県、群馬県は「水源地地域保全条例」を制定。水源地内で土地を
売買する際は 契約前に利用目的などの届け出が義務付けられた。
気付かないうちに各地で水源地保護が進んでいるようで・・・
★これは一番大事なこと。
水は田んぼで育まれるそうです。
減反政策によって地下水がずいぶん減ってしまった。
”減反政策は減水政策”
だからわたしたちがお米を食べなくなると ますます田んぼが
減ってしまうということに・・・
★地域によって 住民、企業、自治体が協力して 涵養事業が始まっています。
”涵養事業”については著書の中で具体例を上げて興味深く説明されています。
★発想を変えてみよう
「もっとたくさんの水が必要だ」ではなく「水の代替えはないのか」に
シフトする。水を大量に供給するという縛りから解放されれば、
新たなビジネスも生まれてきます。
持続可能な水利用に関する動きがあちこちで起きているようで、
これからどうなるかこちらからも目が離せません。
前回読んだ水関連の本は 「水ビジネス 110兆円水市場の攻防」 でした。
http://d.hatena.ne.jp/baikamo77/20131226/p1
わたしたちと身近にある水問題。 さらに関連本を読んでいきたい。