わかりきったことだけど日本の学校は私立、公立、国立に分かれている。
保育園は0歳児からの場合もあるし、幼稚園は3年保育か2年保育かを選べる。
これだけを考えても同じ日本の中で各人スタートから社会人になるまで
幾通りものコースがあるのだと改めて思った。
私立や国立の小学校に入るためのいわゆる”お受験”は
幼稚園選びから始まっているそうな。
まあ縁ないし〜、興味ないし〜ですが、「OUT」、「グロテスク」、
「東京島」などでお馴染みだったので、
桐野夏生さんの「ハピネス」を読んでみることにしました。
![ハピネス ハピネス](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51raVpRUz2L._SL160_.jpg)
- 作者: 桐野夏生
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/02/07
- メディア: 単行本
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娘のお受験を意識した5人のお母さんグループ。
その小さな世界でさえ階級ががっちり出来上がっている。
主人公の有紗は背伸びした生活を続けるため嘘を重ねるが、
2度目の今の結婚の危機を境に少しずつ変化していくようになる。
階級の一番上にいるいぶママも意外な展開をしていく。
ほっとしたのは有紗の前夫との間にいる10歳の息子に数年ぶりに
会いにいった時。
有紗が自分が誰なのかは言わず、他人として会話をかわすことができた。
その話ぶりから息子は ”よく育っている” と確信した。
前夫への恨みから感謝へと大きく変わった瞬間。
こんなプラスの心の変化が卑屈になりがちだった有紗に
自信を与えてくれるのだろう。
浮足立ったところに幸せは来ない。
何を選択しようとも人の勝手だけれど、世間の尺度に合わせて
いたらいつまでたっても心は満たされることはない。
パートナー同士よく話し合い、調整し、歩み寄ってその家庭ならではの
生き方を模索していく過程にこそ喜びがあるのだと思う。
気づかないけれど幸せは身近なところにあり、だと思う。
これからの有紗を知りたいし、美雨ママはいったいどこへ
向かっていくのかも興味あるところです。