出身地を知らなければ、中国人は分からない

経済的にも軍事的にも巨大化している中国。

本の帯には ”どうしても、中国人と付き合わなければ
ならない人のために” と書かれています。

どうしても付き合わなければならないなんて全く
ないけれど、普通の報道とは一味違う中国を知りたいし、
旅行した気分になれそうな本だと思い、読んでみました。

愛国意識ばりばりの北京や国際感覚豊かでしたたかな
上海から最西端の新疆ウイグル自治区まで各地域の
特徴を歴史や政治、料理など文化を絡めて紹介しています。

人口が極端に多い国だから世界中に散るのは当然なこと。
中国内はもちろん世界各国に住む中国人の様子を知ると
おちおちしていられない気分になってきます。

日本に新しく形成された池袋北口のチャイナタウンや
チャイナと大いに関係あるという東京大久保の
コリアンタウンはとても興味深いし、世界各国の
チャイナタウン事情についてもとても面白く描かれています。

例えばイギリスのチャイナタウンは世界のそれとは趣が
違うと言います。それは元々は大陸からでなく植民地だった
香港からのチャイナたちが作った街だからそうです。

またベトナム戦争後のボートピープルベトナム難民)に
ついては少し違って理解していたので驚きました。

本の中で強烈に印象に残る一文です「・・・・華僑は
インド人より執拗でなく、レバノン、シリア人よりあくどくない。
アルメニア人のえげつない商売を前にしたら華僑さえ霞む。
”レバ・シリ”というのはフェニキア伝統を引く
あこぎな商人の代名詞だ」

ふぅ〜。

彼らは一体どんな過酷な土地で生きているのでしょうか。

といっても中国人がお金に貪欲である事実は動かないようです。

それでも決して中国は一つではないのです。