経済的にも軍事的にも巨大化している中国。
本の帯には ”どうしても、中国人と付き合わなければ
ならない人のために” と書かれています。
どうしても付き合わなければならないなんて全く
ないけれど、普通の報道とは一味違う中国を知りたいし、
旅行した気分になれそうな本だと思い、読んでみました。

出身地を知らなければ、中国人は分らない (Wac bunko)
- 作者: 宮崎正弘
- 出版社/メーカー: ワック
- 発売日: 2013/09/19
- メディア: 新書
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愛国意識ばりばりの北京や国際感覚豊かでしたたかな
上海から最西端の新疆ウイグル自治区まで各地域の
特徴を歴史や政治、料理など文化を絡めて紹介しています。
人口が極端に多い国だから世界中に散るのは当然なこと。
中国内はもちろん世界各国に住む中国人の様子を知ると
おちおちしていられない気分になってきます。
日本に新しく形成された池袋北口のチャイナタウンや
チャイナと大いに関係あるという東京大久保の
コリアンタウンはとても興味深いし、世界各国の
チャイナタウン事情についてもとても面白く描かれています。
例えばイギリスのチャイナタウンは世界のそれとは趣が
違うと言います。それは元々は大陸からでなく植民地だった
香港からのチャイナたちが作った街だからそうです。
またベトナム戦争後のボートピープル(ベトナム難民)に
ついては少し違って理解していたので驚きました。
本の中で強烈に印象に残る一文です「・・・・華僑は
インド人より執拗でなく、レバノン、シリア人よりあくどくない。
アルメニア人のえげつない商売を前にしたら華僑さえ霞む。
”レバ・シリ”というのはフェニキア伝統を引く
あこぎな商人の代名詞だ」
ふぅ〜。
彼らは一体どんな過酷な土地で生きているのでしょうか。
といっても中国人がお金に貪欲である事実は動かないようです。
それでも決して中国は一つではないのです。