タイトルは好きでないけど、今のアジアがわかります

著者は作家、評論家そして中国ウォッチャー。

アジアの国々での中国(についてがほとんでです)と
韓国と日本の投資状況やその国での評判を聞きながら 
今のアジアをまとめた本です。


一般的な旅行記というよりビジネスマン向けでしょうか。

書かれているのは中国と韓国の先にあるアジアの国々。
4つに分かれています。

1)発展著しいミャンマーベトナムインドネシア
2)経済安定期のタイ、シンガポール、マレーシア、ブルネイ
3)大化けの可能性を秘めたフィリピン、カンボジアラオス
4)日中韓で経済戦争が起きているインド、スリランカ、 
  ネパール、バングラディッシュ

どの国も都心部のライフスタイルが西洋化し、車、
スマホなど当たり前となった。

インフラが整っていない国が多いため 日本の製造業が
進出するのはなかなか難しく、まずはインフラ整備が
急がれるようです。

国によっては戦勝国史観で語られていることがあり、
西欧恐るべしはここでも再認識。

自国通貨を信じてない国も多く、金に換えるため
列をなしている場所があります。

中国人はどこの国でも逞しく商売をしていて 政治だけでなく
経済的にも反日を利用することがあります。
世界で起きている情報戦はすさまじい。
この避けられない事実を わたしたちもちゃんと認識して
いないと ホント危ないです。


アジアの国々が日本と同じように発展することが 
幸せかどうかは 疑問です。日本や他の先進国が通ってきた
不幸な部分を学びながら ゆっくり発展していくのがいいと
思うのですが。


実際はまずは誰もが豊かになりたいと思うでしょう。
だから喜びと辛酸を繰り返しながら 進んでいくんだと思う。
人間は往々にしていいところだけを見て、悪いところには
眼をつぶってしまいがちですから。


最後にあまり馴染みのないブルネイについて。

ボルネオ島北部に位置する小さな王国
全面マレーシアに囲まれています。
もちろん理由はちゃんとあります。

石油とガスが豊富に産出されるから 国自体とても豊か。
何と国民の8割が公務員!! 
潤沢な資金があるので、隅々までインフラが整っています。


王様が戴冠式に着用した衣装には1個8000万円也のボタンが
4個ついているという。夫人は5カラットのダイヤを付けます。
入った資料館の内部も金ぴかだそうな。

資源の少ない日本は細かいところにこだわり、工夫に工夫を
重ねて今の日本ができあがっています。
金ぴかは”侘び寂び”とは対極ですね。


じゃあ資源の豊富な国がいい?と聞かれれば、
生きるために 常に何かを考え出し続けている日本のほうが
ずっとずっと複雑で深みがあると思うのは贔屓目?

内容はすべて著者が現地を実際に歩いて取材したもので、
臨場感あるレポートです。