強く輝く現場にはリスペクトとプライドがある

関東と関西を往復するときは新幹線を使います。
降りる時、乗客たちはほぼ全員自分でゴミを処分するため
座席がきれいになっていて ホッとした気分になります。

別に他人に褒められたいからでなく、掃除する人がいたって
そのままでいいわけないという強い感覚があるわけでもなく、
ごく自然に行われている行為だと思います。

先日のワールドカップの会場で日本人応援団が負け戦にかかわらず、
ゴミ拾いをしたと報道されていました。

称賛される一方、掃除する人から仕事を奪ってしまうという意見も
出ているらしいのですが わたしにはどうしても理解できません。

国の事情によるのでしょうが、狭い意味での掃除という概念を 現場全体の
空間を快適にするところまで昇華させた日本の会社の存在を知ると そんな
意見は無意味だと思えてきます。

新幹線のお掃除の会社「テッセイ」は海外からも視察団が来るほど有名で 
現場を取材した本が出版されています。

始めは従業員さんたちはやらされ感で仕事をしていました。
その後、仕掛け人である矢部輝夫さん(現専務取締役)が
就任後 「どうせ行くなら、いい会社にしたい!」という
思いで改革していきました。

何より現場を大切に思い、現場の声に耳を傾け、自主的に
問題解決にあたらせようとしました。

その結果 職場に活気が出て、お客さんのため、
自分たち従業員のため 積極的に改善されていきました。

乗客と従業員の安全、快適に乳幼児の世話ができる場所の確保、
障碍者への手助け、忘れ物の保管などなど・・・・

それは単なる掃除という仕事を超え 新幹線ホームという空間を
良くするという意識に変わっていきました。

トップの現場へのリスペクトが現場で働く人たちの意識を変えました。
リーダーが誰なのかはとても重要なことだと思います。

他に現場での具体例が載った ”エンジェル・レポート” も
いくつか掲載されています。

新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか?

新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか?

何と kindle で67%引きで読みました。