2冊の対極な生き方の本

偶然、同時に読んだ2冊の本。

ヤンキー経済」に出てくるマイルドヤンキーと呼ばれる人たちと
日本を捨てよ」の著者とは生き方が対極にあります。

どちらがいいとか悪いとかの話でなく、ライフスタイルが
多様化しているため 自らその生き方を選べる時代に
なっているんだと思います。


「日本」を捨てよ (PHP新書)

「日本」を捨てよ (PHP新書)

タイトルは過激ですが、敢えて愛する日本を捨てて
(住む場所でも単に考え方だけでも)
新たな生き方をしてみようと提案しています。

愛国心は義務教育とマスメディアの作品である。
国家という概念を植え付ける明治時代は必要であったけど、
日本の経済が世界の上位に位置するようになり 国家が
がっちりできあがったのだから もはや日本という国に
縛られる必要は なくなってきたのではないか。

著者は道州制を勧めます。

例えば東京道ならば法人税を当て込んで所得税を低くする。

北海道は法人税を低くして企業を誘致し、代わりに
所得税を高めにする。

観光資源に恵まれている近畿道は消費税を高めに設定。

また福祉に力を入れている道州。

教育政策についても 中学校まで無償のところもあれば
大学院まで無償のところもある・・・・・など各道州に
特色を持たせ、国民に住む場所を選ばせる。

政府の間でも競争するようになれば
国民(住民)は政府にとって顧客という存在になってきます。

顧客を満足させなければ 税金を払ってくれなくなるでしょう。
 
さらに日本を超え、世界に広まれば国境も必要なくなると
著者は言います。

国家の暴走は心配ですが、そうさせないために
憲法がしっかりと国家を縛る役目を果たします。

国内でも国外でも 自分が豊かに暮らせると思う場所を
自由に選択できれば 他人にどう見られるかなど
過剰に気にすることもなくなるのです。

身の回りのことばかりに関心を向けるのでなく、
より高い位置から全体を見渡してみる。

随分飛躍した考え方で 夢物語のようすが、
何ごとも一度発想を変えてみると また違った
ものが見えてくるようになります。




こちらは地元に生まれ育ち、家庭を持っても 地元から
出ようとしない ”マイルドヤンキー”と言われる人たちが 
どのような消費生活を送っているのかを調査したものです。

著者は広告代理店でマーケティングや若者向けの
商品開発を行っている方なので、増えつつある
地元志向の人たち向けの商品をたくさん紹介しています。

なかなか先行きが見えない中、仕事にも家庭にも安定を
求める人たちが多く存在することに驚かされます。

大人になっても一緒に遊ぶのは同級生たち、結婚も地元の人、
子どもが出来たら 同じ地域内の家族同士で交流し、
たとえ30分で渋谷に出られたとしても行かずに 地元の
大資本系の店だけで充分楽しめているという。

ディズニーランド、高級ブランド(長持ちするという理由で)、
他の家族と楽しむための大型車など あまり消費しなくなったと
言われる若者たちとは逆に 物へのこだわりがあります。

また夫婦水入らずより家族と楽しむ。そして多くを望まず、
現状維持と穏やかな日々を求めています。


facebooktwitterは 交流関係を海外にまで広げる人たちと、
身近な人たちだけとますます濃い関係を築いていく人たちとに
二分しつつあります。 これはとても興味深い現象です。