映画「あん」を見て

昨日BSプレミアムで見た「あん」は
長瀬正敏さんが演じるどら焼きの店長と
ちょっとの間 そこに働きにきていた
樹木希林さんが演じる徳江との交流の
お話です。

「あん」のサイトです。
http://an-movie.com/

徳江はハンセン病を患っていたことがあり、
自由のない人生を送っていました。

徳江の死後、自身で語った印象に残る
言葉をメモ的に残しておこうと思います。

「私たちは この世を見るために、
聞くために生まれてきた。
だとすれば 何かになれなくても
私たちは私たちには生きる意味がある」


先日ひとりの知り合いと30年ぶりに
会いました。ずっと形式的に年賀状を
交換するだけのお付き合いだったので、
お互いの家族のこともよく知らない
ままでした。

そして会って 彼女の2番目のお子さんが
生まれた時から障碍があって 車椅子の
生活を送っていることを知りました。 

「私は子どもができてから自分のために
自由に出歩いたことはないの。 ずっと娘が
行くべきところと家との往復介助をしないと
いけないから」と聞きました。

彼女は若い時、綺麗でとても穏やかな人
でした。久しぶりに会った今も印象は変わらず 
感情を交えずに現状を淡々と語ってくれました。

大変な苦労をされた、もちろん今も
されていると想像しますが、重い
語り口ではありませんでした。

今回「あん」を観て、重なりました。

「私たちは この世を見るために、
聞くために生まれてきた。
だとすれば 何かになれなくても
私たちは私たちには生きる意味がある」

普通に生きるわたしたちには 決して
見えないものが、彼ら、彼女らには
見えているんだと思います。

#その知り合いから聞いた今の車椅子を
使用して移動する人たちの置かれた
現状を付け加えてみます。

駅のホームでは連絡すれば駅員さんが
介助してくれるので、日本全国、単独での
外出が可能になりました。

飛行機も優先的に搭乗でき、都合のよい
席を確保しといてくれます。これは
小さな子どもを抱えた親御さんたちも
同だとか。

ホテルはどこも一室は車椅子用の部屋が
用意されているそうです。

世の中はほんの少しずつ進化していると
感じます。悪い部分ばかりを見て、批判
ばかりしていては大事な事を見逃して
しまいます。