戦争を想う暑い夏 1

いよいよ夏真っ盛り、今日から8月です。


朝から賑やかなセミの鳴き声を聞くと 子どもの頃夏休みの宿題で
近くの森へ写生しに行ったことや 臨海学校でのスイカ割り、
近所の小さな神社の夏祭りなど走馬灯のように思い出されます。


そして先の戦争の終わりを告げた夏。


といっても自分は経験したわけではないので、本を読んだり人づてに
聞いた話によって映像や思いが頭を駆け巡ります。


先日は久しぶりに映画観へ。
終戦のエンペラー」を見てきました。



映画に限らず戦争の話は重たく、辛いものが多いのですが、
この「終戦のエンペラー」は 米国人将校と日本人女性との
ラブストーリーが入っているので 全体的にソフトな仕上がりです。


マッカーサーが部下のボナー・フェラーズにたった10日間の猶予で
命じたのは 戦争責任は誰にあるのか答えを出すことで、この映画の
テーマになっています。


フェラーズは日本の政府要人たちに 「戦争の責任者は誰か」、
天皇に戦争責任はあるか」を繰り返し尋ねます。


答えはどれもグレー、 結局は日本の誰もが知る結末となります。


一番印象的だったのは 近衛文麿の「アジア諸国を支配していた欧米諸国は
何故裁かれないのか、我々はそういう国々を手本にしたまでだ」と
きっぱり言い放つ場面。本当はきっぱりしてほしかったのは開戦の前です。

米国との戦力の違いはすでに明らかだったのだから
何としても戦争回避をすべきだったと思うのですが。


終戦のエンペラー」はプロデューサーが日本人の奈良橋陽子さんで
主に日本側に立った視点で描かれています。


どうして今この映画なのか、上映目的は何なのかを考えるのが面白くもあり、
今の日本の置かれた立場を知るひとつの手がかりになるのではと思いました。


またフェラーズとの恋の相手役の初音映莉子さんが光っていました。
CMによく登場している女優さんなんですね。