身近な「水」、これから一体どうなるの?

日本のいくつかの市町村で水道事業の一部が海外の
民間に委託されていると聞いたことがあり、これから
日本の水の安全は守られるのか 不安になります。

取りあえず水に関する本を読んでみることにしました。

水ビジネス  110兆円水市場の攻防 (角川oneテーマ21)

水ビジネス 110兆円水市場の攻防 (角川oneテーマ21)

地球規模での水害や温暖化で水の枯渇が始まっていて
世界的に水ビジネスが盛んなようです。

フランスのヴェオリア社、GDFスエズ社、イギリスのテムズ・
ウォーター社が世界の8割を占め、他にアメリカ、ドイツ、
シンガポールも進出しています。

では日本は?
日本の海水淡水化の膜技術は突出していますが、水道事業を
システム化してビジネスを展開している大手の欧米の会社には
到底かないわないそうです。


他に面白かった内容として、

日本は多額のODAを拠出しているので、その分は現地で日本の企業が
ほとんど受注していると思っていました。
でも「ヒモをつけてはならない」という国際的な掟を忠実に守り、
他国にも開放しています。
他の先進国は、当然そんなことはしません。


イラク戦争ではアメリカが徹底的に水の施設を攻撃しました。
結果感染症の犠牲者が多く出たそうで、石油に負けず水も
戦争の口実になるようです。


世界で民営化された上下水道のサービスを受けているのは約10%。
2015年では16%と予想され、ターゲットの中心は中国だそうです。


皇太子殿下の数回に及ぶ ”世界水フォーラム” においての講演が
ありましたが、日本ではなぜか内容がほとんで報道されないとのこと。
講演記録は宮内庁のサイトに掲載されています。


上下水道事業に民間が関わるのはイギリスは100%、フランス
80%、中南米も高いです。 アメリカは15%、ドイツ20%・・・と
日本の外では民営化がかなり進んでいるようです。

巨大な水企業はイギリス、フランスが占めているわけだから
両国は自国の企業が経営していることになります。

でも資源が極端に少ない日本が 水までも外国の資本に
委ねてしまったら どうなるのでしょうか。

この本が出版されたのは2009年11月。
その間に震災もあり、水の放射能汚染問題もプラスされました。

また世界のビジネス事情も大きく変わっているでしょうから
機会があったらまた関連本を読んでみようと思います。

一通りの世界の水事情がわかる一冊でした。