誰も人生の複雑さに耐えて生きていく

わたしの住む地元地域では月一で高齢者が集まる会が
あります。 そこでは警察署や消防署による講演、
ゲーム、歌、楽器演奏などいろいろお楽しみがあります。

わたしたちも一緒に楽しむのですが、同時に
お茶出しや企画などのお手伝いもしています。

毎回今昔を問わず、落語や本でよいものを一部
紹介してくださる人がいます。今回は皇后美智子様著:
「橋をかける」を紹介してくれました。

内容は皇后の子ども時代の読書の思い出です。
一部抜粋します。

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読書は私に、悲しみや喜びにつき、思いめぐらす機会を与えて
くれました。本の中には、さまざまな悲しみが描かれており、
私が、自分以外の人がどれほどに深くものを感じ、どれだけ
多く傷ついているかを気づかされたのは、本を読むことに
よってでした。・・・・

読書は、人生の全てが、決して単純でないことを教えてくれました。
私たちは、複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。
人と人との関係においても。 国と国との関係においても。・・・・

子どもたちが、自分の中に、しっかりとした根をもつために
子どもたちが、喜びとびと想像の強い翼を持つために
子どもたちが、痛みを伴う愛を知るために
そして、子どもたちが人生の複雑さに耐えていき、やがて
一人一人、私共すべてのふるさとであるこの地球で
平和の道具となっていくために。

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わたしが一番共感したのは 「人生の全てが決して単純でない」ということ
です。 日々の暮らしの中、 家族、親戚、ご近所、友達同士、職場
・・・どの関係を取っても自分の思い通りに事が進むことはありません。

ましてや国レベル、世界レベルになれば とてつもなく複雑な関係の
中で物事を決めていかなければなりません。 

人生は決して思い通りにはいかない。そんな中でも自分を見失うことなく
自分がこうしたいと思う道を行く。 

子どもたちが人生の複雑さに耐えていけるよう、小さいうちから
親御さんたちがそれを意識して育てていれば 大人になってから
大きな苦労をしなくてすみそうです。