私の夫はあと数か月で70歳を迎えます。
今も若い世代と変わらず、都心まで週5日、9時~5時の
出勤を続けています。
今も厚生年金を支払っているため、当然厚生年金は受給していません。
最近昭和27年4月2日以降生まれの人は75歳まで
受給を先延ばしできることになったので、75歳まで
元気で働ければ伸ばしてみようかとも話しています。
先延ばしすると75歳の時点で84%アップします。
これは誰もがお得と考えるでしょう。
しかし年金受給額の計算式には欠落している部分があるのです。
普通は65歳からもらえるので、延長する人は65歳から受給しない間の
年金は当然もらっていません。
また、厚生年金保険料は本人が働いている間は個人も企業も同額を納めています。但し、今の時点では厚生年金基金に加入できるのは70歳が限度です。
そこで厚生年金を75歳まで延長した場合、月15万円受給していたと
仮定して計算してみると、
①15万円 ✖ 12カ月 ✖ 10年間 =1800万円
厚生年保険料を月2.5万円と仮定すると、
70歳まで
②2.5万円 ✖ 12カ月 ✖ 5年間 ✖ 2 =300万円
* ✖2は個人と企業が同額を払っているので。
結果、75才までの間に
1800万円 + 300万円 =2100万円を国に寄与することになります。
年金受給金額の計算式では、②の企業負担分と①が考慮されずに
84%アップとうたわれ、まるで国が84%全額負担してくれるような錯覚に
陥ります。
我が家はそれを承知で、「働ける間は給料で暮らす」を目標に
生活しているのでいいのですが、繰り下げ受給にするのか
通常で受給するのか迷っている人はどちらがプラスなのか
よく検討したほうがいいのではないでしょうか。
マスコミはお得感を強調しますが、そこにはトリックがあることを
知るべきです。
この制度は決して悪くはありませんが、国もマスコミも
誤解させるような情報でなく、正しく情報を伝えていって
ほしいものです。