大阪歴史博物館では6月1日まで 「上方の浮世絵 〜大坂・京都の粋と技〜」展 が
開催されています。
歌川広重、葛飾北斎、喜多川歌麿などは誰でも知っている江戸で活躍した絵師で、
美人画、風景画、役者絵といろいろ描いています。
一方上方は歌舞伎役者が中心に描かれています。
「大阪歴史博物館」
右手のビルはNHK大阪、左が歴史博物館です。
ビルの向いには大阪城が小さく見えます。
照皇亭貞広(二代目貞広)作
二代目尾上多見蔵の工藤左衛門
五粽亭広貞作
四代目三枡大五郎の坂田蔵人
浪花百景:天神祭り夕景
歌川国貞、他の作品。
こういう江戸の絵師たちに触発されて 上方でも風景画や
美人画も後に描かれるようになりました。
江戸で描かれた美人は顔は面長で目は切れ長というイメージが
あります。
大阪の博物館で見た上方の美人はふっくらした輪郭に二重の
大きな目が描かれ 現代的な愛くるしいといった感じの女性でした。
肉筆画は一点物なので超高価。もちろんお金持ちしか手に入りません。
その後版画の出現で広く一般にも手に入るようになりましたが、上方では
さらに大衆に拡げようと 「並摺」「合羽摺」などの手法が使われだしました。
「合羽摺(かっぱずり)」はステンシルのようなものです。
片抜きした型紙を置いて刷毛でポンポンと叩いて色付けしていくもので
大量に作ることができました。 色は少々くすんでいます。
当時ブロマイド(今もあるのでしょうか・・・)として手に入れた女性たちが
キャーキャー騒いでいる姿が目に浮かぶようです。
江戸でも上方でも町民文化花盛りでした。
時には倹約令が出て 浮世絵禁止なんていう時期もありましたが、
町民は工夫して 言い訳を作って それなりにこっそり楽しんでいたそうで
いつの世も人は逞しく生きてるなぁと感じます。
今関西では 浮世絵関連の展示会が開催されています。
★「神戸市立博物館」 〜北斎展〜 6月22日まで
★「大坂歴史博物館」 〜上方の浮世絵 大坂・京都の粋と技展〜 6月1日まで
★「上方浮世絵館(大阪)」 〜浮世絵の武者をいろどる武具〜 6月8日まで
こちらは浮世絵の摺制作体験ができるようです。
★「芦屋市立博物館(兵庫県)」 〜世界を魅了したやまとなでしこ---浮世絵美人帖展〜
6月15日まで
京都にもありました! 建仁寺南門前にある「世界一小さな浮世絵博物館」で
実際の摺り師さんが制作している現場を見学できるようです。
但し、開館時間は”朝起きたら開館します。 夜眠たくなったら閉館します”
休館日は ”もう、たくさんだと思った時” と書かれていています。
どことなく江戸時代の香りがしますね。
これ全部周ったら浮世絵の達人になれそうです^^