スマホという何気なく使っている商品の裏には熾烈な戦いが・・・

iphoneは今やわたしの生活には欠かせないものになっています。 
ipad(mini)はブックスタンドに立ててレシピを見ながら料理、
なんていうのにすごく重宝しています。

IT素人のわたしにもアップル製品が気軽に使えるようになってきています。

ということで、アップル関連の本を読んでみました。


アップル帝国の正体

アップル帝国の正体

今年の5月に三重県の関宿を訪れた際、近くにはシャープの亀山工場があって、
今工場はどうなっているんだろうとふと思いました。
その答えは今回読んだ著書の中にありました。

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亀山第一工場と亀山第二工場という隣接した2つの工場をつなぐ中空の廊下には、
シャープ社員がその前の通路を通ることさえ禁じられている ”秘密の部屋”がある。
そこは、アップルの社員たちが最大30人ほど仕事をすることができる専用の
オフィススペースになっているのだ。 (引用)

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アップル商品の部品の一部を全工場をあげて作っているそうで、
すでに半分くらいがアップルの所有になっているんですね。


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世界に誇ってきた日本製の最先端の電子部品、金属加工、自動工作機械などは
アップルを頂点とする強固な「帝国」の支配にすっぽりと入り込んでしまった(引用)

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製品の中の部品が どこのそして誰の技術かは秘密になっています。

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アップルは--------(略)--------”孤立”しつつある日本のものづくりに光を
当てた。 -------------(略)------------------しかし一方で、日本の匠の
技術をあっという間に呑み込み、海外展開によってコモディティ(汎用)化させる
という、残酷な一面もありありと見せていた(引用)

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ルールやシステムを創る者が勝ち。

キャリア支配だったビジネスモデルがアップル、グーグルといった
基本ソフトを提供するIT企業に取って代わられました。

アップル製品で役立っている人たちが多くいることも事実です。

例えば 漁師さん。
専用アプリを使って船上で獲ったその日の魚の種類や場所、漁獲量などを
入力してデータを取り、目先の「収入」と地域の海の「資源確保」との
バランスを取るようにしています。 (日本の漁師さんたち ちゃんと
考えていてえらいな・・・)

漁師さんたちにはウィンドウズの評判は悪かったけど、起動が速い
ということで アップルが一躍人気者になっていったそうです。

救急現場でも ipadのお蔭で以前と比べ、迅速に搬送先が
選べるようになってきています。


逆にITに頼り過ぎるとアイデアが産まれないという理由で 
会議などにpcを持ち込まない会社も出てきています。

また音楽業界関してはアップルの曲の価格設定が消費者目線のため、
アーティストが食べられなくなり、しだいに新人アーティストが
出にくい状況になっているといいます。


話は飛びますが、量販店にスマホ用のカバーや保護フィルムなどの
アクセサリー類を買いに行くと 百均でも売ってそうなものが
結構な値段になっていて なぜだろうと思っていました。

これはアップルが量販店に利益をもたらさないような仕組みに
しているため 周辺機器で利益を上げざるえなかった結果だと
著者は書いています。

なるほど・・・


そんなアップルにも陰りが見え始めています。

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今、アップルには、自分のキャリアに箔をつけるために履歴書に
「アップル」と書きたいような人がたくさん集まってきているんです」
(引用)

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これは著者がカリフォルニア州のクパチーノ市を訪れ、
アップルに詳しい記者にインタビューした時の言葉。

会社が大きくなりすぎて スティーブ・ジョブズが持っていた
本来の起業家精神とはだいぶかけ離れてきています。

そして著者は あれだけ部品や技術を提供しているのにもかかわらず
現地で日本の存在感が全くないことに気づきます。

一方日本企業もアップル一辺倒で痛い目にあっているので、
戦略を変え始めているそうです。


次にスマホを買い替える時には いろいろ揺れ動きます・・・





わたしが読んだ本の中で印象に残る2つの言葉を何度でも載せていこうと思っています。
わたしたちの幸せへの鍵は目先のことにではなく、こういうことにかかっているからです。


馬渕睦夫著: 「国難の正体」(総和社)より引用

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私たち個人個人にとっての「物質至上主義」(お金) と 
精神主義」(良心) との戦いです。

多様性を認め、「物つくりの精神」、「和」 と 「共生」 に基づく
調和の取れた社会経済システムなどを世界に広めることなのです。

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★松井博著: 「企業が”帝国化”するアップル、マクドナルド、エクソン〜新しい
統治者たちの素顔」 (アスキー新書)より引用

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帝国は私たちを利用することはあっても 私たちを積極的に
助けてくれることはありません。ですから出せる力を振り絞って
新しい時代へ精一杯対応しなければいけないのです

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