緩い生き方をしているデンマークの人たち

デンマークのエネルギー関連施設や自然の中にある幼稚園、
農場などを訪ねてきた方たちの報告会が 近くで行われる
というので参加してきました。


デンマークは北欧地域の中にある国。
九州とほぼ同じ面積で、人口は約560万。

ほとんどが平地で山間部が7割も占める日本とは対照的です。



★エネルギー

ごみの埋め立てが法律で禁止されているので、徹底して
リサイクルを行っています。

可能なものは分別してリユースする、燃やして出た熱を地域暖房の
熱源として利用しエネルギー産業として成り立っています。

熱と電力を供給するコジェネ(コージェネレーション)が主流で
化石燃料原発も使用していません。

住民のゴミへの意識も高く、分別はもちろん できるだけゴミを
出さないように生活しています。

他に水力、風力、波力による発電も行っています。




★生きる力を育む幼稚園

広大な森の中にある幼稚園で国内に500以上もあるそうです。

基本は ”生きる力を育む”こと。

各子どもたちが思い思いに好きなことをして遊びます。 
決して教師はリードしません。発見、好奇心、自主性を
育てます。

自然を知ることで、店頭に並ぶ食物と生き物とのつながり、
命をいただく仕組みを体験的に学んでいきます。

就学前に文字や計算を教えることは禁止されています。

眠くなったら決められた部屋まで行って寝る。

約束事は最小限。決められた範囲外には行かないこと、
大人の目が届かない場所に行く時は必ず声を掛けること
などで、守られないことはなく、今まで特別な事故も
起きてないようです。

娘が小さい頃、こんな幼稚園が近くにあったら通わせたいなと
考えたことがありますが、現実に国の中にたくさん存在するのだと
知って驚きました。



社会福祉

消費税25%、住民税(平均)55%と驚くほど高い税金を払いますが、
教育、医療、介護など国民にはほとんどお金がかかりません。

日本の場合、生命保険、教育費、老後の資金などは多くを民間企業に
払っていますが それを合計すると実際は55%の住民税より
超えてしまっているかもしれません。

国民の政治への関心も高く、集会などで話し合いがよく行われるようです。



★その他

全般的に人々の労働時間は短く、街のお店も3時、4時に閉まって
しまうようです。 それなのに一人あたりのGDPは世界6位。

どうしてそれが可能なのか理由を知りたいところです。



デンマークについてのこんなサイトも見つけました。
http://diamond.jp/articles/-/32485

人との競争を避けるという暮らし方は 大きな特徴だと思います。


こんないいことづくめの国を見倣ったらいいと思うけど、
人口の大きさも地形も大きく違うデンマークと同じに
語ることは無理があるでしょう。

人口が少ないということは意見がまとまりやすいですし。

光があるなら必ず影があるもの。
デンマークの社会的な問題はどんなものがあるかサイトで
探してみました。

家族崩壊の中で育った子どもたちが ドラッグやアルコール依存などで
仕事につけない大人になったり、ホームレスになったりすることが
あります。

また流入する移民への差別問題も発生しています。

また一律の価値観なので 野心的な人は退屈と感じるかもしれません。

それでも多くの人たちは 可能な限り持続可能な社会を維持することを
小さい時から教えられ、実践し、欲の暴走を抑えながら それぞれが
緩く生きていると感じました。